今回は、中野善壽著『ぜんぶ、すてれば』の要約と感想を書いていこうと思います。
- これからに悩みや不安がある人
- 今を生きていて前向きな気持ちになれない人
そんな人にオススメの本になります。
さっそく、以下より詳しく見ていきましょう。
目次
はじめに
今は、不確実で変化が激しく、個人の力が試される時代です。
新しい技術や価値観をアップデートし、自分の意見を持ち、世の中に発信しないといけない。
しかし、実績も経験もなく、自信がない。
この時代を生き残るためには、どのような知識を持ち、いかなる知識を身につければいいのか?
中野善壽さんの答えは、「何も、必要ありません。ぜんぶ、捨てればいいんですよ。」です。
中野さんの経歴は、伊勢丹、鈴屋で新規事業の立ち上げと海外進出を成功させ、その後、台湾に渡って大手財閥企業で経営者として活躍。2011年に寺田倉庫の代表取締役社長兼CEOに就任。
その手腕と独自の考え方、そして人柄から、各界の著名人に慕われ、一方で、メディアには姿を現さず、本当に実在するのか疑われていた人物になります。
その生き方の根本にあるのは「何も持たない」ことです。
家や車、時計はもたず、お酒やタバコも好まない。お金も若い頃から生活に必要な分以外は全て寄付に回しています。
何も持たないからこそ、過去に縛られず、未来に悩まず、今日を大切に生きることができるのです。
そんな中野さんの話を以下より詳しく聞いてみましょう!
今日を、生きる
中野さんが何より伝えたいことが、「今日がすべて」という言葉です。
情報が多く、将来のことも、周りの人も気になる時代に「今に集中する」のは難しくなっています。
しかし、夢中になって楽しむのは今しかありません。
過去にとらわれず、未来に揺さぶられず、今日に集中して精一杯楽しめば、その結果は、先々にいろんな形となって巡ってくるはずです。
すべては因果応報。自分を開花させ、将来を作るのは、今日の自分です。
今日の自分を妨げるものはすべて捨てて、颯爽と軽やかに、歩いていきましょう!
今日できることは、今日のうちにやる。今すぐやる。
「明日がある」という希望は持つべきだけれど、本当に明日が来ると信じてはいけない。
「何から先にやればいいのか」なんて考えずに、思いついた順に、なんでもすぐにやれば、後悔することはありません。
「まだ早すぎる。準備ができていないから」なんて言っていたら、いつまで経っても、チャンスは来ないでしょう。
上には上がいるので、「準備万端の日」は一生やってこないと考えた方がいいでしょう。
中野さんは、いつも行き当たりばったりで、それなりに失敗をしてきたが、今こうやって楽しく生きています。
何かを気にするよりも、自分に嘘はついていないか?できることは精一杯やってきたよな?と自分に問いかけましょう。
嘘がなければ、思い切りやればいいのです。またチャンスはやってきます。
始める勇気と同じくらい、大事なのは「やめる勇気」です。
「やめどき」の見極め方は、「頑張りすぎている」と気づいた時だと中野さんは言います。
不自然な力みが生じたり、「どこか自分らしくないな」と感じたら、そろそろやめる時期だと思いましょう。
やめる時の最大の邪魔者は、過去の自分です。
「ここまでやってきたのだから」という蓄積が足枷となって、やめることができない人がたくさんいます。
しかし、その足枷を引きずって未来はあるのでしょうか?
目標を持たなくても、人は目の前の幸せや楽しみのために生きていけます。
それが成熟した国に生きる、摂理のある人のあり方だと中野さんは考えています。
最近の若い人に「安定志向」の傾向があり、私もその傾向があります。
しかし、世の中に安定というものは存在しないと中野さんは断言します。
私たちが生きる自然世界は、常に流れ、変化をつづけており、今日と明日で1つとして同じものはありません。
そんな世界の中で必要なのは、安定を求める心ではなく、変化に対応する力です。
冷たい風を一瞬感じて立ち止まる力。そして、足先の方向をクルッと変えて、また颯爽と歩き出す力。
そんな変化に強い自分を鍛えておきましょう。
ぜんぶ、捨てる
中野さんは、捨てる以前にモノをできるだけ「持たない」ライフスタイルを選んできました。
モノに執着がなく、賃貸暮らしで、クルマや高級品は持っていません。
食べ物もコンビニの新商品を選ぶのが一番楽しく、ご馳走は会食で満足できます。
持たなければ、生活がモノで埋め尽くされないし、土地や家を売買する上での煩雑な手続きもしなくていい。
何より身軽な生き方が中野さんは好きなのです。
思い出はいいものだ。中野さんにも大切にしたい思い出はあります。
けれど大切だからといって、それにこだわるのはよくない。美しい思い出ほどしがみついてはいけません。
過去を守ろうとすると、それは「前例」となる。
すると、前例と似たことをしたくなる。前例がないと行動できなくなると、ますます良くない。
前例は、未来を縛るものであり、変化が必要な時代にいらないモノである。
いつまでも新しいアイディアを捻り出せる人間で、振り返らずにみたことのない景色を求め続けたいと、中野さんは思っています。
意思決定を持つリーダーは、常にアンテナを張り、思いつきの相談をいつでも受けられる余裕を持つためにも、中野さんは予定は基本入れません。
アイディアのひらめきは、「さっき見たあれと2週間前に言われたあれは関わるかもしれない」というように、バラバラに入ってきた情報が思わぬ組み合わせで生まれることがあります。
だからこそ「ぼんやりと考える時間」を意識的に持つことが大切です。
定期的に「何もしない時間」を作って、ぼんやりとお茶を飲む習慣を持ってみましょう!
人間は慣れるとバカになる。頭を使わなくなって、衰えていく。
だからこそ、できるだけ不慣れな機会に身を置くようにしましょう。
顔見知りとの会話は会って話すと心地がいいのは当たり前。
しかし、いつも同じ面子とあって同じ会話をするとどんどん頭が衰える。
大事なのは、常に自分に負荷をかけること。
中野さんの場合は、知らない町に飛びこんで、店内で買い物しているおばちゃんと3分話します。
そのほうが、頭を使い、心が若返る。
こういう会話は日常の至る所で、やろうと思えばいつでもできる。
毎日を豊かにする刺激は、日常の中にたくさん隠れています。
出会いがあれば、別れもある。
特に男女においては、一度夫婦になり、仲睦まじいときを経て、離れる選択をするのは、決して珍しいことではありません。
中野さんの夫婦観は、「高め合える関係出なくなったら、離れたほうがお互いのため」です。
そのほうが、長い人生をより豊かに、有意義に生きられると思うのです。
別れは、前向きな未来のためのスタートラインです。
しかし、別れの中で離婚訴訟などが起こり、泥沼化するのはもったいないです。
その原因の1つに「モノへの執着」があると思います。
「これは私のもの」「これは僕のもの」とお互いに譲らないから揉めるのです。
つまり、手放せば揉めなくなり、モノに執着していた精神が解き放たれて、新しいことにエネルギーを注げるようになるはずです。
みなさんも、モノには執着せずに、精神の自由を選びましょう!
おわりに
今回は、『ぜんぶ、すてれば』の要約を書いていきました。
今回の記事は、本書の一部分しか紹介していないのですが、かなり長くなってしまいました。
今回書いていないことにも、素晴らしいことがたくさん書かれているので、ぜひ読んでみてみてください。
今回は以上になります。最後までご精読ありがとうございました。